2005年12月クリスマスを振り返って


2005.12.30


 振り返れば、今年の「クリスマスのいちごを占う」を起こした時には予想もつかない大寒波の襲来で、東北から北陸山陰の裏日本から九州一円が大雪に見舞われ、中部地方、名古屋地域までも積雪10cmと報じられ、各いちご生産地は軒並み日照不足から減産となり、この10年最悪のクリスマスとなりました。

 それでも、超促成の作付け増加が若干は寄与したのでしたが、超促成の早期流通は大手量販店が待ち望んでいた事であり、需要はケーキ業界より先にスーパーマーケットの店頭販売用に高まって、クリスマス直前にはケーキ業界と量販店店頭販売需要との綱引きとなって急騰、当初の予想を大きく上回る高値相場となってきました。

 量販店は超促成の作付け増に基づいて、早くから12月のセールを企画、一社がやれば他社も追随するのは当然です。未だ、寒波襲来の前の11月中旬から12月にかけて、例年以上に促成物が出廻り、各社競って店頭に並べました。日本人の苺好きは、多少の高値には驚きません。各社共、順調に販売が伸び、柿、ぶどうが終わって、りんごとみかんしかない店頭にいちごがどっと出て、果物売り場は活況と呈しました。

 そのまま、生産が上がってきた頃、クリスマスが迎えられれば都合は良かったのですが、この寒波です。クリスマスの需要は、概ね各ケーキ屋さん共、例年通りの予約が入り、ある程度の数量は固定的にありますから、大型店になればなる程、少々早目に仕入に入ります。そのタイミングの12月15日〜20日の間が丁度寒波の影響が大きくハウスのいちごを襲い、市場相場もケーキと量販が綱引きしながら、連日高値を更新していったのです。

 本来なら店頭販売は1パック700円前後が頭打ちなのですが、11月から連続して売りが進んで来ているので、急に高値が出たから販売を止めるわけにはいきません。そして1000円を大きく突破しても、クリスマス後での調整でという非常手段を講じて、販売の継続をする大型店が相次いだ為、騰勢を助長しました。考えれば、クリスマスはほんの数日、量販の店頭販売は延々数ヶ月続くのですから、産地も荷受市場も量販店の意向に沿って、荷割りも相場も考えなければならないのは当然であり、やむを得ません。それが証拠に、24日クリスマスイブの日の相場は、ケーキ業界の需要を無視した、即ち量販店の意向に沿った相場で仕切られたのです。

 今の天皇がご存命の内は、23日は祭日です。いちごは入荷しますが、相場は前日と同じ。今年の様に品不足だと15日から連騰して、22日迄の高値でケーキ用の品の手当てをし、24日に暴落して量販店でいちごのクリスマスセールをやられては、ケーキ業界は「泣きっ面に蜂」というものです。

 今、大手生産地がシーズントータルで量販店での販売を考え始めて、容器の工夫、改良から相場の談合へ向かう現状では、ケーキ業界も大手需要家は、これに倣って知恵を使わなければならないと思います。今の様な、刹那的な相場に一喜一憂する事は、もはや時代遅れな事ではないかと思います。ただ、天候だけは人為的にいかんとも為し難い事ではありますが。

 終わりに、これからは生産(いちご組合)、流通(例えば弊社)、需要家の3者が常に情報交換をしながら、相互扶助の関係を作っていかねば、マーケットは量販店一辺倒になってしまうでしょう。

 仲良く一緒に考えましょう。


代表取締役社長 石川正久
 
  戦後最低の気温を報じる新聞記事 [その1]:「2005年12月クリスマスのいちごを占う
[その2]:「2005年12月クリスマスのいちごを占う
[その3]:「2005年12月クリスマスのいちごを占う
 
 
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