いちごの相場の動きは40年以上の経験者でもなかなか読めません。その最大の要素が天候にあるからです。特に地球規模で温暖化に向っている現状では、過去の値動きは余り参考にならなくなってきています。今年を一言で表すと「暖冬に悩まされながら23日で終った」X’masでした。
詳しく振りかえってみましょう。
 1) X’masに照準を合わせて定植した分が、定植時の冷夏で成育が遅れ、12月初旬から一斉に出るはずのものが
   一週間遅れた。
 2) 12月に入ってからは暖冬で夜温が下がらず、日保ちの悪いいちご出廻って貯蔵が効かず、大手ユーザーの
   手当のスケジュールが数日押されて短期決戦となった。
 3) 中央市場の値の動きが16日(火)〜17日(水)から一気に来た為、予定の生産出荷が遅れた分だけ地方市場に荷が
   廻らなくなり、18日(木)〜19日(金)からは地方が中央市場を上廻る相場を付けて荷を引っ張った。 
   その為、当初予想した値動きが狂いL、2Lサイズが一気に高くなった。
 4) 近年の需要の中心サイズは、L、2L、Mの順でSは極端に需要が減っています。しかし今年は暖冬だった為、
   小さい粒のうちに着色してしまいS、Mが多く出て、L、2Lが少なかった。
 5) 相場に関しては以下の表をご参照下さい。
大田市場 愛知『とちおとめ』競売相場
  3L 2L L M S A
17日(水)
550 800 1000 550 280 500
18日(木)
550 850 1100 750 330 500
19日(金)
550 1000 1300 900 500 500
20日(土)
580 1000 1500 1100 600 500
21日(日) 580 1000 1500 1100 600 500
22日(月) 650 1200 1500 1100 350 600
23日(火) 650 1200 1500 1100 350 600

     Sがこんなに安いのは需要を上廻る入荷過多によるもので、その反面大きいサイズの生産が少ない為、サンド用に
   使うA、3Lが例年より100円高くなりました。Sは19日(金)〜20日(土)にやや高くなっただけで、間際の22日には
   値が下がりました。結果、昨年とはかなり違ったサイズ別の値動きを見せました。相場はあくまで競売(セリ)がルール
   となっていますから需要と供給が正確に反映する事になります。
 6) 品種別の評価に関しては、先ず最大の生産量になっているとちおとめ(北関東を中心)が暖冬の影響を一番受けて
   軟弱ないちごが多かった。かえって、普段あまり人気の高くない章姫、べにほっぺなどがそこそこの品質だった。
   西の方の甘王、とよのか、ほのか、さちのか、の中では、やはり暖冬の為にさちのかの色が黒すぎ不評で、
   甘王は割り合い果肉が堅く好評だった。
    我社のホームページの中の「いちごの話」に有る様に、いちごには品種の寿命が有り平均20年で新種に
   交代しています。いちご産業も高齢化に伴う生産技術の改新、改良と共にそれに合わた品種の改良が
   あちこちで始り、正に品種の戦国時代の到来です。いちごは勿論冬から春にかけての果物の王様ですから、
   一般大衆の需要が生産者の最大の目標ですが、ケーキ産業もいちごの需要の大きなターゲットです。
   ケーキ屋さんに嫌われて成功したいちごは有りません。すべての品種を正確に短期間比較する事は
   難しいのですが皆さん如何でしたか。是非、皆様のご意見をお寄せ下さい。
相場としては高値はこの2、3年と同じ水準でしたが、サイズ別格差が大きく、また、暖冬に依る品質で苦労したX’masという結論でした。特に暖冬でハウスの中の温度が下がらず、これがアブラ虫や葉ダニの病害虫を増やし、生産者は駆除よりも出荷に気を取られる為に虫喰いの不良品混入によるトラブルが相次ぎました。生産者の方達も心して欲しいものですね。 (12月25
日現在)
特集:「2003年12月(X'mas)のいちごを占うその4」
暖冬による影響でハウス内の
温度が下がらない
 


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